旅する 地質調査 -ボーリングマシンはどこまでも-

地質調査の特権は?

地質調査という仕事の魅力って何でしょうか?

先日、ベテランの機長さんに聞いてみたことがあります。

『やっぱり工事とかと違って、短期間で次の現場に移動して、海・山・川・街中といろんなロケーションで仕事ができることかな。』

その機長さんは自分で船を買ってしまうほど釣りが好きで、連休があると船の中で寝泊まりすることも少なくないのだそう。

 

海が好き、釣りも好き

 

海が好きな人、山が好きな人、釣りが好きな人、登山が好きな人、いろいろあると思いますが、仕事の現場の中で様々な景色に出会える。

  

確かに地質調査の場合、工事に比べると比較的工期が短い業務も多く、現場のボーリング作業は1週間程度で完了し次の現場へ移動することも多いですね。

 

もちろんの現場の調査の目的や地質状況によっては、同じ現場で数多くの調査が必要になったり、1箇所あたりの掘削深度が50mを超えるようになるとおのずと期間も長くなることはあります。

しかし、多くの現場では短期間で移動になることが多いので、より多くの環境、ロケーションで仕事ができる楽しみというのは確かにあるなと思います。

  

海が好き?それとも山が好き?

釣り好きの機長さんは、海の見える場所や水上、海上での調査現場の方がなんだか落ち着くと話されていました。別の機長さんは、水の上は落ち着かないから山の方がいいなあ、と。

人それぞれ好きな場所や雰囲気や風景が違うように、落ち着く現場のロケーションもそれぞれ違うようですね。

ただ、現場によって変化するのは風景だけではありませんよね。

場所が変わればもちろん地質の状況も変化しますし、作業に必要な準備や足場の作り方も全く変わってきます。

  

特に地質の状況は調査の難易度やボーリング作業に要する期間に大きく影響します。

比較的やわらかい地質の場合は、1日に7m~10mほど掘り進むこともありますが、礫や玉石混じりの地質や硬い岩盤を掘削する場合には、1日に1m程度しか掘り進められないようなことも少なくありません。

  

また山の方に行けば、急傾斜地や車が入れないような道なき道を進まなければならない現場が多くなり、場所によっては携帯の電波が届かい場所もあります。

逆に海や川の方の現場になると水上に足場を組むことが多くなり、河川では雨による河川の増水、海になると干満や天候による波の影響を受けます。

  

様々なロケーションでの調査の経験を積むことで、技術者のみなさんは経験と知識を蓄え、技術を向上させて、それを生かしてまたいろいろな現場に向かっていくのです。

    

  

水上でのボーリング

  

  

山上でのボーリング

  

  

河川でのボーリング

  

  

電波も届かない山奥での調査

  

  

急傾斜地で複数班での調査

  

  

工事現場内での調査

  

  

個人的な話になりますが、私は熊本県上天草市で生まれ育ちました。それはもう『ど』がつくくらいの田舎町でした。実家の目の前はすぐに海。

玄関を出て5秒で海に飛び込めるような環境でしたので、海には馴染みがありました。小学校の生活の授業の中で釣り竿を作って釣りをする時間があったほどです。

  

そのため熊本市内の高校に通うようになり、夏休みを迎えたときに、クラスの友達が『みんなで天草の海に海水浴にいこう!』って盛り上がりを見せたことがありました。しかし、私は全く乗り気になれず結局参加しませんでした。

だって、それ、ただの里帰りになる。それに海水浴というもの自体が私にとって、子どものころから身近すぎて、イベントとして消化しきれなかったんですよね。

  

話が少しそれましたが、1年の四季の移り変わりを感じながら様々なロケーションを巡って仕事ができる。

これは外で仕事したいと思う人にとってはなかなか魅力的なことなのかもしれません。遠方になれば確かに移動に時間もかかることはありますが、知らない土地や初めての景色に出会うことも多くなると思います。

少しでも地質調査という仕事の魅力を感じてもらえるように、これからも様々な場所での地質調査の様子をお伝えしていこうと思います。よろしくお願いします。

※旅をするように仕事をする。人生という旅に出る。

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