令和4年度『青本』の変更点は?-モノレール運搬 積算方法の変更-

今回の『青本』はどこが変わった?

  

地質調査の積算の基準となる『設計業務等標準積算基準書』、通称『青本』ですが、年に1度新しいものが発行されています。

  

現在、最新のものは令和4年度版になります。

  

令和4年度版 設計業務等標準積算基準書 [ 国土交通省大臣官房技術調査課 ]

価格:5,170円
(2022/8/31 11:09時点)
感想(1件)

今回も令和3年度版からの改正点がいくつかありました。地すべり調査の部分に地下水位観測孔の設置、観測に関する歩掛が新設されたというのも結構大きな変化だと思います。

  

これまで地下水位観測孔の設置、観測については、地質調査の中ではそこそこ積算する機会の多い項目でした。

  

しかし、『青本』に掲載が無い為、これまでは基本的に『赤本』に掲載されている歩掛を使っていました。

それでも問題はないと言えば無いのですが、やはり国・県市町村において積算の基準となるのはやはり『青本』

『赤本』はあくまでも、基準してではなく、『青本』に記載の無い場合に参考にするものという立ち位置なんですよね。

次に変更のあった点としては、現場内小運搬におけるモノレール運搬の規格区分です。

今回は、このモノレール運搬の変更の部分を取り上げてみます。

  

モノレール運搬に関する解釈の変更

  

今回の変更で変わったのは

  

国土交通省 設計業務等標準積算基準書および同(参考資料)令和4年度改定内容より抜粋

  

上図の赤枠部分が変更された箇所です。

令和3年度までは、モノレール運搬の規格で、『設置距離』だった部分が、『総運搬距離』に変わっています。

  

この『設置距離』と『総運搬距離』はそれぞれ何なのか、下の図で説明します。

  

【1本のレールの場合】

  

モノレール運搬 参考図

  

  

まず『設置距離』というのは、起点からボーリングポイントのBv2を経由し、Bv1まで青線のようにモノレールを架設した場合、

80m+120m で 200m ということになります。

  

それに対して、『総運搬距離』というのは、機材を載せて運搬する距離なので、起点~Bv1までを往復することになります。つまり、  

200m×2(往復) で 400m になります。  

そうすると、上図のようなモノレール運搬を行う場合、以前までだと『設置距離』なので、200mは

〝100m超200m以下〟  の規格です。

  

それが今回の変更によって『総運搬距離』となったため、400mの場合の区分は・・・

〝300m超500m以下〟 の規格になるということになりますね。

(※国の基準書の変更が、各地方自治体の定める基準に反映されていない場合もあるため、確認が必要です。)

  

この変更は結構大きいと思います。

ただ、この変更によって積算の際には少し複雑になる部分もあります。

運搬に関する規格は『総運搬距離』に変わったものの、架設・撤去は『設置距離』で考えなければならないということです。

  

そのため、上の図のようなモノレールの場合の運搬と架設・撤去は下表のようになります。

  

参考
規格区分の参考表

  

運搬の区分は、『総運搬距離』ですが、設置・撤去に係る区分は『設置距離』の為、区分が異なることに注意です。

  

【分岐点がある場合】

  

次に分岐点のある場合を見てみます。

モノレールの分岐点とは下の写真のように、調査箇所が複数の場合で、1本のレールで全ての調査箇所を繋ぐことができない場合に、レールを分岐させる部分のことを言います。

  

左ルートと右ルート 各ルートの先に調査地点があります。

  

この場合通常、元のレールを『本線』、そこから枝分かれしたレールを『支線』と言います。

これを先ほどのように簡単な図で表すと下のようになります。

本線と支線が存在する場合のレールの例

  

  

青色で示した部分が『本線』赤色で示した部分が『支線』となります。

  

このようなモノレールの場合、これまでは『本線』と『支線』を分けて考え、設置を2回(本線 1回、支線 1回)とするのが基準とされてきました。(※現在もその解釈が基準となる市町村等もありますので、確認が必要です)

  

しかし、令和4年の青本で、モノレール運搬の区分に係る記載が『設置距離』から『総運搬距離』になったことを受けて新しい解釈が発表されました。

  

その解釈では、『支線』がある場合でも、設置は1回とし、『本線』『支線』の設置距離の合計で区分を考えるようです。

  

運搬の区分についても、『支線』を含めた総運搬距離(設置距離×2)で区分が決定されます。

  

上図のような支線のある場合のモノレール運搬の新旧の解釈で対比すると次のようになります。

(上がこれまでの考え方、下が新しい解釈です。)

  

これまでの支線のある場合の考え方

  

支線がある場合の新しい解釈

  

支線とはいえ、同じ現場で繋がったモノレールなので、設置撤去はまとめて1回とする方が、考え方としては自然な気がします。

  

ただ、この場合も運搬の規格区分と設置・撤去の規格区分が異なることには注意しましょう。

  

架設されたモノレールの様子

  

様々な現場状況に対応するモノレール

  

※調査現場でのモノレールをはじめとする機材の運搬方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています!

  

令和4年度『青本』の変更点は?-モノレール運搬 積算方法の変更-」への2件のフィードバック

  • 2022年12月20日 @ 1:57 PM
    パーマリンク

    こんにちは、ふらっとサイトを見かけたのですが、モノレ-ルの積算について、令和4年度から総運搬距離の考えは変わりましたが、仰る「本線」、「支線」の考え方は変わってないと思いますがいかがでしょうか。(架設・撤去の単位は『設置距離』に対する「個所」で、青本の説明でcase2は従前と変わらず2個所となっているので・・・)

    ついでと言っては何ですが、サイト内いろいろ拝見させていただきました。地質調査というニッチ業界のことが書かれており面白かったです。

    返信
    • 2022年12月20日 @ 5:14 PM
      パーマリンク

      はじめまして。
      ブログをご覧いただありがとうございます。
      私自身地質調査業界に入って5年と、業界的にはまだまだ新人のレベルですが、地質調査という仕事の重要性や役割を少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えてブログを始めインスタやTwitterなどで発信しているところです。

      コメントありがとうございます。
      モノレール運搬の本線・支線の考え方については実際、意見が分かれているようです。確かに令和4年度版の青本での表記は変わっていませんので、私たちもそのままの解釈でいたのですが、その後に行われた青本及びその解説本の説明会に参加したところ、次回発行される予定の解説本からは、本文に書いたような考え方になりますという内容の解説がありました。そのため、それに則った形で記載しましたが、現状では曖昧です。令和5年度版の青本での表記に変更があるかどうかで答えが出るのかなと思います。その際にはまた内容も見直したいと思います。

      これからもよろしくお願いします。

      返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です